平屋住宅とリフォーム

時代とともに平屋住宅は少なくなってきました。しかし平屋住宅には他の住宅にはないようなメリットもあります。リフォームの際にそのメリットを上手く活かせば、現代人の生活スタイルに適合した住宅として蘇らせることも可能です。そこで今回は、平屋住宅のリフォームについて解説します。

平屋住宅は床と壁、天井、屋根という簡素な造りになっています。階段が不要であるため、平面上の動線だけを考えれば良いので、仕様を考えることは難しくありません。生活するにあたり、上下の移動が少ないことは大きなメリットであるといえます。高齢になって足腰が弱くなった場合でも安心です。そこでおおすすめなのは、バリアフリーを重視したリフォームを行うことです。平屋住宅は非常にバリアフリーと相性が良いからです。注文住宅の新築時に平屋住宅を選んでおけば、高齢になったときや高齢者と同居することになった場合に、バリアフリー住宅として再生できます。もともと上下の移動がないので、高齢者や足が不自由な人に適していますが、部屋と廊下の段差を減らせばばさらに暮らしやすくなります。素材などの問題によって段差をなくせない場合は、スロープを設置するなどの手段を取れば良いでしょう。
現代社会は家族が一緒に過ごすことが減り、心の距離ができやすいといわれています。平屋住宅はその問題を緩和する効果があることで注目を集めています。2階建て以上の住宅に住んでいる家族の場合、各階にいる家族は距離感を覚えることが多いでしょう。しかし平屋住宅の場合は、全員が同じ階にいるので距離をあまり感じなくなるのです。リフォームの際に無駄な間仕切りを除去すれば、さらに距離感を縮められるのではないでしょうか。子供や高齢者がいる家族の場合、毎日の生活で安心感が増すでしょう。

また平屋住宅をリフォームする場合は、耐震性や耐久度にも注意しましょう。古い平屋住宅の場合、現代の基準とは異なり、十分な強度がないこともあるからです。その場合はリフォーム時にできるだけ補強しておいた方が良いです。
平屋住宅を2階建てにリフォームする場合は、床面積が増えることにも留意しなければなりません。たとえば建ぺい率が地域で設定されている基準を超えないように調整する必要があります。しかし建築や法律の素人にはそのような判断が難しいケースも少なくありません。そのような場合はリフォーム会社や不動産会社に相談すると良いでしょう。